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私をうならせたサービス

私鉄からJRへ乗り換えをしようとしている、目の不自由な男性をみかけました。この乗り換えは距離もあり、人通りも多いのでとても困難です。
私鉄の職員らしき方がその目の不自由な男性に肩をつかませ、リードして歩きながら言いました。
「私はマクドナルドの前までしか行けないのです」。
このマクドナルドの前というのは、ちょうどJRと私鉄の真ん中あたりの場所です。おそらくここまでが私鉄の敷地内なのでしょう。もちろん、この私鉄職員の方には他の仕事もあるでしょうから、遠いJRまで送っていくわけにはいかない。しかし、マクドナルドの前で「じゃあここで」と置いていくわけにもいかない。いったい正解はどこにあるのでしょうか。

 大きな組織であればあるほど、それぞれが秩序を守らなければ、バラバラになってしまいます。マニュアルに沿って動くことはとても大切だと思います。
ただ時には、それに反しても自分で考えて動かなければならないことがあると思えてなりません。
最近私は、すばらしいサービスをする二人に出会いました。

 2名のステキな女性に出会いました。
これぞプロの接客。

一つ目はカフェです。その店は、駅や繁華街には必ずある、チェーンのお店。ただ私の出会ったステキな店員さんが働くそのカフェは、病院の中にありました。
そのチェーン店全体の混雑時のマニュアルだと思いますが、他の店員さんは「お席を確保してからご注文ください」と大きな声で案内をしていました。
しかしその素敵な店員さんは、お客をみて代わりに席をキープしたり、トレイを席まで運こんだりと自分自身で最適なサービスを判断してどんどん動くのです。列ができ混雑した店内で、そのさばきようは見事でした。しかも食後に薬を飲むため鞄をさわっているお客にさっと水を持っていくのです。

 

もう一つは、飛行機に搭乗しているときのことです。私はヤマザキのランチパックを鞄にいれていました。飛行機によく乗る人は経験があると思いますが、あの手のものは、気圧の変化でパンパンに膨らむのです。破裂はしないでしょうが、万が一を思って、自ら封をあけたところ思いのほか大きな音がでました。周りの人がみんな振りむくくらい。机の上にはランチパック。恥ずかしい。その時ブルーのユニフォームのCAさんが、私に「一緒にどうぞ、私もランチパックのピーナツを今日食べましたよ」と言って笑顔でコーヒーを運んできてくれました。これもプロの接客だと感心しました。

 

 お客様と接するときマニュアルが邪魔をすることが多々あると感じます。
百人百様とはよくいったもので、同じサービスでも喜ばれたり、怒られたりします。電車で高齢者に席を譲った時に、「ありがとう」と喜ばれることもあれば、「年寄り扱いするな」とムッとされたという話もこれと同じです。

 白か黒かをつけるのではない。

 どこまでサービスをするか、もしくはしないのか。
やり方は無限です。その時、その場所、その人、すべてにおいてそれぞれの状況なのですから。
冒頭で私は私鉄の職員の方の話をしましたが、彼はいったいどうすべきだったのでしょうか?
正解はないのだから、白か黒かをつけるのではなく、今できる最適を探したいと思います。
たとえ今は思うようにいかなくとも、あのカフェの店員さんや、ブルーのユニフォームのCAさんのように、自分の正義は忘れないようしたいです。

H・Y

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